ウイングスパン
美しいコンポーネントのタブロービルディング
ソロ分類:ソロ・対戦
日本語対応:日本語版あり
BGGの2019年ソロプレイランキングで17位、同じくBGGの2019年Golden Geek Awardで賞を総なめにした(ソロ部門でも受賞している)人気ボードゲーム。2019年のドイツ年間ゲーム大賞のエキスパート部門でも受賞。
Amazonのページを覗いたらたまたま在庫が復活していて運良く入手できたのでプレイ。
いまさら解説の必要もないほど有名になったゲームだが、一応軽く説明すると、個人ボードに鳥のカードを集め、列に応じたアクションを実行すると、配置した鳥の能力も同時に起動してメリットを得られるという、タブロー/エンジンビルドがメインのシステムとなっている。
ラウンドごとランダムに決定される「どこどこに住む鳥の数」だったり、「このタイプの巣にある卵の数」だったりの順位に応じた勝利点を獲得し、最終ラウンド終了時に獲得した鳥や卵などの点を加えて最終順位を決定するという、セットコレクションの要素もある。
しかしやはり特筆すべきはコンポーネントの質感の良さ。カラフルな木製卵トークンや専用のダイスタワーは言うに及ばず、すべてユニークな絵柄の鳥カードやボード、説明書に至るまで手触りのいい加工がなされていて、触っているだけでも楽しいゲームとなっている。
行うアクションもトークンを配置した後、移動させながら順番に処理するようになっていたり、手元に残ったトークンが残りアクションを表していたり(ラウンドごとにアクションが少なくなっていくが、ボーナスボードにアクショントークンを配置するため気にする必要がない)と、処理に手順ミスが起こりづらいような工夫がされているのも、地味だが好感が持てる。
ソロプレイに関してはオートマと対戦する方式で、ボックスにもオートマ作成集団、オートマファクトリーのロゴが印刷されている。
個人的にはオートマは処理が重いわりに納得感の薄い行動をするのであまり好みではないが、ウイングスパンに関しては処理も軽めで、それでいて、そこそこ動向を気にしながらプレイする必要もあってバランスよく感じた(初級難易度をプレイした感想)。
ただ、オートマの説明書の分かりづらさにはかなり混乱させられた。本来はオートマの処理をわかりやすくするための補助のカードの使い方が頭に入ってこず(と言うか、「1ラウンド目は1列目を、2ラウンド目は2列目のアクションを行います」という、あまりに当たり前のことを示す機能なので、先入観で「そんなはずはない」と否定してしまっていた)何度も説明書を読み返す羽目になってしまった。
とはいえ、一度理解できればテンポよくプレイできるので、その点は大きな問題にはならないだろう。
1プレイも短めで、200枚以上ある大量の鳥カードをシャッフルする手間さえ乗り越えれば(何かいい方法ないだろうか……)、手軽にプレイできる良作。
今はまだプレ値の状態で入手難の状態だが、いずれ流通が落ち着いたらプレイしてみてほしい。
もしくは日本語対応のデジタル版がPCやSwitchでリリースされる予定なので、それを待ってもいいかもしれない。