スリーピング・ゴッズ

船長としてクルーを率い、呪われた世界からの脱出を目指せ ゲームブック風味のアドベンチャーゲーム

ソロ区分:COOPルールソロプレイ・目標クリア型
日本語対応:日本語版


航海中に天変地異に遭遇し、ファンタジー世界に送り込まれてしまった探検船「マンティコア号」の船長として、8人のクルーを率いて元の世界への帰還を目指すアドベンチャー。

ワールドマップを自由に探索して各地に記された番号に対応したパラグラフを読み、必要に応じて判定や戦闘、選択を行ってストーリーやクエストを進めていく。

見た目通り、以前紹介した「7th Continent」や「テインテッド・グレイル」に雰囲気が近い。リソース管理などサバイバルまわりは「ロビンソン・クルーソー:呪われた島の冒険」に似たところもある。

 

多人数プレイでは各プレイヤーにキャラクターを割り振って担当するが、ソロプレイだと9人全員を管理することになる。各キャラごとにHPや疲労度、状態異常や装備アイテムを管理する必要があり、キャラそれぞれに特殊アクションが設定されているので 把握や維持は結構大変。

さすがにキャラごとに手札があったりはしないし(手札はプレイヤー単位)、戦闘は1ラウンド4アクション固定なので一般的なCOOPゲームのフルメンバーを一人で担当するほどの手間ではないが、9人分のボードを並べた時点で「大丈夫かな……」という気持ちになったのは確か。

(上の写真だとすき間なく並べているが、本来はカードを差し込むスペースが必要なので1.5倍ほどの場所が必要)

 

各地点での探索を行うパラグラフは別冊のリング綴じの冊子で行い、選択肢があればさらに別パラグラフに飛んだり、能力値判定を行ったり、戦闘したりするというゲームブック風進行。

戦闘は敵キャラのHPであるハートの印が3×3のグリッド上に配置されているので、攻撃をヒットさせたらマスが連続するようにダメージトークンで覆っていき、すべてのハートを覆うことができればその敵を撃退したことになる、という仕組み。

グリッドにハート以外にも特殊能力や追加攻撃力の枠、プレイヤー側のコンボが行える連携アイコンなどがあるので、どこにトークンを置くのかの戦略が重要になってくる。

与えたダメージの半分までなら隣の敵のグリッドにトークンを置けるなど、戦闘の戦略性は高い

 

何が起きるか分からないオープンワールドの謎めいた島々をゲームブック風に探索していくところや、この戦略的な戦闘が評価されたのか、BGGの去年のソロボドゲランキングでも38位と高い順位にある本作だが、個人的にはちょっと合わないポイントが多かったのが残念。

 

ひとつは上述したキャラ管理の煩雑さ。一人で9キャラを扱ってプレイするのは把握にもプレイスペースの点でも圧迫感が大きく、せめて4人くらいで難易度をスケーリング出来て遊べたらという感がある(プレイヤー人数に関わらずキャラ数やアクション数がほぼ変わらないので、何人でプレイしても特に難易度調整は行われない)。

もう一つはそれに関連して、一つのゲームに要素を詰め込んだ反動で、前述のキャラクターボード以外にもマップやアイテムカード、クエストカード、手札、船ボードや各種デッキ類、トークンなどコンポーネントが大量に用意されていてプレイスペースを大きく占有してしまっている点。実際にプレイする際はそれに加えてパラグラフが記された本(リング綴じで開いておくにはいいがパラグラフ移動はやりづらい)やルール参照のためのルールブックも必要となり、ゲームプレイ以外の各種作業が煩雑で没入感がそがれてしまい、一つ目のトーテムを入手したところで「続きはまたそのうち……」とプレイを中断したきりになってしまった。

 

個人的にはアナログで遊ぶには管理や処理の手間が多いように感じたので、デジタルで遊べたら楽しめたかな……とも思ったが、デジタルならもっと自由度の高いこともできてしまうので、ちょっと中途半端な立ち位置になっているのでは、という気がしている。

(あくまで「自分が遊ぶには」という観点で、各所評価は高いので少数派の意見だとは思う)


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