エバーデール

ワカプレとタブロービルドで森の街を発展させよう。公式とファンメイドソロを紹介。

ソロ区分:対戦ルールソロバリアント・PvE型
日本語対応:日本語版あり


去年の1PGランキングで42位に入っている高評価作。

日本でも人気で長らく入手難だったところ、再販のタイミングで入手……したのはいいものの、引っ越しとタイミングが重なり(段ボール山積みの状態の中届いた)積みっぱなしになっていたのを、最近ようやくプレイしたので紹介。

 

動物が暮らす森の街の発展をテーマに、ワーカープレイスメントとタブロービルディングのシステムを使ってゲームをプレイしていく。

目を引くのはやはり、ボードの奥にそびえる「永遠の樹」のオブジェ。

言ってしまえばイベントカードと先の季節で使用可能になるワーカーを置いておく台でしかないのだけれど、存在感があり、手触りの良いリソーストークン(果実は弾力があり、樹脂は半透明、木材は実際に木で出来ているなど)と合わせてゲームの雰囲気アップに一役買っているといえる。

(とはいえ、一度組み立てた後の再プレイの時は組み立てや片付けが面倒なこともあり、無しでプレイしてしまっているのも事実ではあるが……)

省エネツリー。ほぼ切り株でディストピア感がちょっとある……

 

基本的なゲームの進行は、ワーカーで果実や木材、樹脂、石などのリソースを獲得し、それを支払うことで場や手札からキャラや建物のカードを配置(プレイ)、の繰り返しとなる。

プレイしたカードには特殊能力が付与されていて、その場で効果を得られるもの、季節の変わり目ごとにボーナスが得られるもの、ワーカーを配置できるアクションがあるもの、特定のアクションに紐づいて恩恵が得られるもの、ゲーム終了時に勝利点が追加されるものなど様々なタイプがある。

カード自体にも勝利点が設定されているので、15枚の配置上限の中でうまく計画を立ててカードをプレイする必要がある。

 

ワーカーはゲーム開始時点では2個のみでやれることもほとんどないが、使い切った後の回収アクションのタイミングで1つ(最後の季節は2つ)増えるので、カードの効果も合わせて、できることがだんだん増えていくので後半は盛り上がっていく。

このワーカーを使い切って回収するまでを「季節」と呼んでいるのだが、プレイヤーによってカードのプレイ数などで回収までのタイミングが異なることもあり、季節の進行が人によって異なるのがユニークといえる半面、ちょっと直感的にわかりづらくなっているように思える(まあそこまでネガティブな印象はないが……)。

 

このようにしてゲームを進め、全員が秋の季節を終了したら、一番勝利点が多いプレイヤーが勝利となる、というのがゲームの主な流れ。

ワカプレらしくアクションの先取り要素があり、また、場のカードも同様に早い者勝ちの取り合いとなるので、自分の組みたいコンボをいかに成立させつつ、他人の欲しがりそうなカードをうまくカットしたり流したりして妨害するかの攻防がキモ。

 

ソロプレイではそのあたりがどうなっているかというと、簡易Botと対戦するPvE方式となっている。

Bot対戦は運用が軽い代わりに行動がチートっぽいものや、AIと呼べるくらい複雑なパターンを持つ代わりに重めのものなどいろいろなタイプがあるが、エバーデールのものは比較的軽めでサクサク進められるパターン。

場のワーカースペースをいくつか占有して妨害しつつ、プレイヤーのカードプレイに対応して場のカードを自動取得、季節の変わり目でイベント獲得条件に一致していればそれも取得する、というような作りになっている。

取得するカードはダイスを振ってランダムに決めるが、逆にプレイヤーがカードをプレイしなければ何もしないし、カードのストック具合でどのイベントを取ることになるのかは予測しやすいので、ほどほどに対応しながら自分のスコアを伸ばしていくというような、半分スコアタのような感覚で遊べるモードという印象。

右上がBotが獲得したカードのスタック。イベント取得条件がわかりやすいようにカードの種類ごとに分けて配置してある

 

そのソロ感が物足りないという印象があるのか、BGGにはもう少しプレイヤーらしいオートマを作成している人がいたので試してみた。

ソロ用デッキ。プレイとワーカーアクションの枚数が偏らないように進めていく

これはオートマ用のデッキを使用して、自分のターンの後にデッキからカードを引いて、書いてあるアクションのうち実行可能なものを確認して、最も上にあるものを実行するという仕様。

また、カードはアクションとワーカーの2種類に分かれていて、片方がもう一方より2枚以上多くならないようにバランスを取りながらプレイするというのも特徴で、季節が進むごとに増えるワーカーに呼応してアクションも多くなっていく。

カードに記されたアクションでは、「リソース8つで特別イベントカード取得」が強力で、場や手札で一向に対応カードが登場しないうちに高得点のイベントカードを取られてしまうとかなりの理不尽さを感じてしまう……が、そこは複雑な思考ができないAIへのハンデとして耐えるしかないのはやむなしか。

公式ソロBotより多少重いものの、印刷が必要なカード枚数も16枚とそこまで多くもなく、対戦感がもう少し欲しい場合はこちらを選んでみてもいいかもしれない。

 

PCAndroidiOS用のデジタル版もあるので、フルルール適用のAIとやりたい場合はこちらも選択肢に。


エバーデール 完全日本語版