SENTINELS OF THE MULTIVERSE: DEFINITIVE EDITION

架空のコミックからヒーローチームを作り、ヴィランの野望を阻止しよう!

ソロ区分:COOPルール3キャラプレイ・目標クリア型
日本語対応:なし


去年の1PGランキングで58位に入ったSENTINELS OF THE MULTIVERSEのリマスター版。

イラストなどがリファインされているほか、各カードバランスにも細かく手が入った、名前通りの決定版となっている。

 

……といっても元のバージョンを知らない人も多いと思われるので説明すると、架空のアメコミヒーローをテーマに、特徴あるヒーローたちをチームアップさせてヴィランと戦うカードゲーム、という感じ。

こう書くと、以前紹介したMARVEL CHAMPIONSとどう違うの? という疑問を持つと思うが、ライトにしたMCと言ってしまって構わないと思う。

 

違うところを書いていくと、

  • LCGではないのでヒーローごとのデッキは決まっている
  • ヒーローの変身前みたいな要素はなく、ヒーロー全員のHPが0になったら負け、というようなシンプルなルール
  • カードにコストの概念はなく、どのカードでもプレイできる代わりに、1フェイズにプレイできるのは基本1枚
  • プレイフェイズのほかのパワーフェイズというものがあり、常駐したカードを起動させる仕組みがある
  • 各ヒーローのターンは5フェイズもあり、慣れるまではちょっと煩雑に感じるかも
  • ヴィランのほかに環境デッキというものがあり、そのロケーションで起きるイベント(たいていトラブルだが、ヒーローを援護するカードもある)を解決する

という感じ。

常駐カードの中には各フェイズでできることを強化するものもあるが、基本的には1フェイズ1プレイという仕組みになっているので、序盤からやれることは何かしらある代わりに、後半に向けてそこまでインフレするようなこともない、良くも悪くも安定したプレイ感となっている。

 

気になるヒーローたちは、どれもマーベルやDCのヒーローたちのわかりやすいパロディとなっていて、キャプテンアメリカポジションのLEGACYやバットマンっぽいWRATH、アイアンマン……というよりウォーマシン的なBUNKERなど、バラエティに富んだ12人。

中にはマオリ族のHAKAなど変わり種も

さらにそれぞれに初出バージョンという体のレトロな絵柄のバリアントがついているのも、コミックネタを生かした仕掛けで面白い。

LEGACYの初出がやたら古いのとか、サイドキック出身で扱いが小さいキャラとかネタが凝っている

チームアップが基本システムになっているので、ソロプレイだと上記の中から3人のヒーローを選んでプレイすることになる(2人プレイだと2人ずつ、3人以上は一人1キャラ)。

ただMARVEL CHAMPIONSと違ってデッキを組む必要はないので、深く悩むことなくプレイすることができるのは利点ともいえる。

 

難点は最低3キャラ使用が必須ということで、手札を3キャラ分管理しなければならず、スペース確保や把握がちょっと面倒というところ。

カードスタンドなどを使用してなるべくスペースを有効活用してプレイしたい。

 

また、上記にあるように各キャラごとのフェイズが細かく分かれていて初見では把握しづらい割に、サマリーカードのようなものもないのでいちいちルールブックの裏表紙を見ないといけないのも残念なポイント。

BGGに有志が作成したサマリーがあるので利用すればプレイアビリティも向上するのでお勧め。

初見ではちょっとひるみかねないフェイズ数。右が有志作成のサマリーカード