ボドゲ「トーキョー災都心」システム紹介・トラブルカード(バトル)
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前回は判定で解決するトラブルカードの紹介をしましたが、今回はバトルで解決するトラブルカードの紹介をします。
(細かい話ですが、トーキョー災都心では「戦闘」は能力値の「戦闘」を意味するので、いわゆる殴り合って解決する処理のことは「バトル」と記載します)
前置きはこのくらいにして、バトルで解決するトラブルカードにはこのようなものがあります。
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このカードはちょっと特殊で「【常時】」の能力がついていますが、それは置いておいて、その下の「【解決】」の欄が、「撃破」となっているのがバトルで解決するトラブルカードとなります。
このゲームにおいて「撃破」とは、攻撃アクションなどによってそのトラブルカードのHPを0以下にすることを指します。
各カードのHPはカードの左上、APの下の囲みに記載されていて、この「バイカー」の場合は5です(その下の「物1」はあとで説明します)。
それに対してPCは攻撃アクションを行いますが、攻撃アクションとは、装備したカードを使用したり、手札からカードをプレイすることによって行います。
まず、「装備したカードを使用」とは、手札から種別が「装備」のカードを公開し、装備判定を行うことで装備し、そのカードの「使用」欄の効果を実行するという処理になります。
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例えばこの「ブラスナックル」の武器カードは、右上の欄に「装備・戦3」と記載されていて、このカードが「装備」タイプのカードであること、装備するのに「戦3」、つまり「戦闘」の能力値で3を目標値にした判定に成功する必要があるという意味になります(その下の「近」はひとまず置いておきます)。
判定に関しては前回の記事で説明しているのでそちらを参照してください。
カードを装備するのは、PCボード(キャラクターの情報が記載されたボード)上部の装備スロットにカードを配置することで行います。
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PCボードには装備スロットが3つ用意されているので、各PCは最大3枚までカードを装備することができます。
そして、装備したカードは効果欄の各能力が使用できるようになります。
今回行おうとしている戦闘アクションは「【使用】」の欄を参照します。この項目には銃弾のアイコンがあり、これが戦闘アクションであることを意味します。
その後の文章が「使用」すると適用される効果で、ブラスナックルの効果は「敵1体に3点の物理ダメージを与える」というものです。
これを使って先ほどのバイカーに攻撃を行うと、以下のような処理となります。
まず、バイカーとブラスナックルの「レンジ」を比較します。
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レンジは右上の囲みの下の列に書かれている「近+」や「近」といった単語で、これが攻撃順を決定します。
このゲームには「遠+」「遠」「近+」「近」の4つのレンジがあり、左にあるものほど先に攻撃を行えます。
先に攻撃した側が相手を撃破、またはダウン(PCのHPが0になること)させると、後攻側は反撃を行えません。レンジが同じ場合は相手の撃破、ダウンに関わらず双方が攻撃を行います。
この場合は、バイカーのほうが「近+」でブラスナックルの「近」より先に攻撃するので、バイカーの攻撃を先に処理します。
バイカーの攻撃は右上の囲みの上の列の「反撃」を参照します。「反撃」という名前ですが、上記のレンジが優先なら、攻撃を仕掛けた側よりも先に攻撃するので注意が必要です。
この場合は「物2」となっているので、物理属性のダメージを2点与えてきます。このゲームにおいて攻撃の属性は「物理」と「認知」の2種類があり、対応したダメージ軽減手段を持っていると、その分ダメージを防ぐことができます。
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例えばこの「ヘルメット」を装備していれば、物理ダメージを2点軽減できる、といった具合です。
PC、敵ともに受けたダメージはダメージトークンを置いて管理します。
トークンはPCならPCボードのHP欄に、敵ならカード上に置きます。
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バイカーのダメージは2点なので、PCボードのHP欄にダメージトークンを2個置きます。
もしすでにダメージを受けていて、合計ダメージが5点(どのPCも最大HPは5です)以上になっていたらダウンとなり、PCの攻撃は行えませんが、ここではまだダウンしていないとして処理を進めます。
PC側のブラスナックルは3点の物理ダメージなので、バイカーに3点のダメージを与えたいところですが、バイカーのHPの下の「ダメージ軽減」欄を見ると「物1」となっていて、物理ダメージを1点軽減するという効果を持っています。
ブラスナックルは物理ダメージなので、1点軽減されて2点のダメージとなります。PC同様カードに2個のダメージトークンを置きます。
これで1回の攻撃アクションが終了となります。
そして、ブラスナックルの攻撃アクションの効果の後に「⇒」の記号があり、そのあとに「消耗」となっているのに注目してください。
これは、カードの能力を使用した後の処理を表していて、消耗はカード(またはスキル欄など)に消耗トークンを置くことを意味します。
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消耗トークンが置かれているカードは、このトークンが取り除かれるまで再び使用することができなくなります。
これはTCGなどのタップなどの処理に似ていますが、カードによっては一度の使用で複数個の消耗トークンが置かれることがあり、その分回復に時間がかかるという仕組みになっています。
ブラスナックルのカードを見ると、「【PCアクションフェーズ開始時】」の処理で「このカードに乗っている消耗トークンを一つ取り除く」となっています。
つまり、次のPCアクションフェーズにはトークンが取り除かれ、再び使用できるようになるということです。
ただし、飛び道具などにはこの能力がないものがあり、別の手段(任意の手札を1枚捨て札にする「消耗トークンの返却」アクション)でトークンを取り除く必要があります。
話がそれましたが、これが装備カードによる攻撃アクションとなります。
ちなみに攻撃アクションが行える装備カードには武器のほか、フォロワーカードも同様の効果があります。
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このゲームではNPCもフォロワーカードとして入手して、武器やアイテムなどと同様に装備して使用できます。
この「巫女」のカードはブラスナックルとは違い認知ダメージを与えることができるので、バイカーのダメージ軽減を適用せずにダメージを与えることができ、さらに反撃の認知ダメージを軽減する能力も持っています(バイカーは物理ダメージを与えてくるので適用できませんが)。
装備カード以外にも、使い捨ての「消費」カテゴリのカードを使用して、同様に攻撃アクションを行うこともできます。
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カードの右上の囲みが「消費」となっているのが消費カテゴリのカードで、これは手札から直接効果を適用できる「プレイ」のアクションとなっています。
装備判定が要らないので使用しやすいですが、適用後の処理が「消耗」ではなく「除去」や「捨て札」、「廃棄」となっていて、再使用が難しいのが特徴です。
「捨て札」は文字通り捨て札にして再びドローすることができますが、「廃棄」は専用の廃棄エリアに送らねばならず、再入手するには危険な『サイト』に赴いて探索しなければなりません。
さらに「除去」はそのシナリオ中ゲームから取り除かれ、シナリオが終わるまで使用できなくなります。
だいぶ説明が長くなりましたが、この「攻撃アクション」を任意の回数行い、敵のHPを0以下にすれば撃破となり、その後の処理と『報酬』欄に記載されたAPトークンを獲得できます。
撃破時の処理はPCのスキルをアンロックするものが主となり、レア度の高い(=強い)敵ほど上級のスキルが解放されるので、PCを強化するためにも積極的に撃破を狙っていきたいところです。
前回の記事で軽く触れましたが、バトルで解決するタイプのトラブルカードは、基本的に「【PCアクションフェーズ終了時】」の効果でダメージを与えてきます。
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バイカーのカードで言えば、「エリアにいるPC1体に3点の物理ダメージ」です。
たいていのカードは他のエリアに移動しておけばダメージを回避できますが、厄介なことにバイカーは、「【常時】」の効果でエリアを移動したPCを追跡してくる能力を持っています。
なので、危険なときは別のPCが先に移動して誘導したり、対処できるPCのいるエリアに移動して撃破を任せたりの工夫が必要となります。
最後にPCのHPが0以下になった時の「ダウン」処理についても説明しておきます。
これはそのPCがゲームから脱落するというわけではなく、装備したカードと手札をすべて捨て札にして、トラブルカードを追加で1枚引いてエリアに配置するというものになります。
その後はダウン前と同じようにアクションを行うことができますが、HPが1以上に回復しない限り、ダメージを受けるごとにトラブルカードを1枚引いて配置しなければなりません。
このゲームの代表的な敗北のトリガーは、トラブルカードがそれ以上配置できなくなることなので、状況によってはダウン処理やその後のダメージでその条件を満たしてしまうこともあります。
当たり前ではありますが、出来るだけダウンは避けたほうがいいでしょう。
バトルは戦略性の高い反面複雑なシステムなので、だいぶ説明が長くなりましたが、前回の能力値判定とバトルさえ理解してしまえば、このゲームの半分以上はマスターできたといっても過言ではありません。
危険と隣り合わせのトーキョーで生き抜いていくためにも、ぜひバトルの仕組みをモノにしてください。
以上でバトルで解決するタイプのトラブルカードの説明を終わります。
次回は軽めにPCの紹介をしようと思います。
(開発の進捗報告の初期に一度紹介していますが、あらためて……)
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