METRO 2033(XBOX360)クリア後レビュー
難易度ノーマルで通常エンディングクリア後、イージーで真エンディングクリア。
原作はロシアのドミトリー・グルホフスキー。小説版のレビューはこちらで。
モスクワ。核戦争後、シェルターとしても作られていた(実際そうらしいですよ!)メトロに避難していた人々は、駅を一つの町として、ミュータントや野盗の襲撃におびえながら暮らしていた。
そんな中、主人公アルチョムは尊敬する「ハンター」の遺志を継いで、壊滅寸前の故郷「エキシビション」への助けを求めに、最大の駅「ポリス」へと旅立つ……というストーリー。
地上は汚染されてガスマスクなしでは呼吸すら出来ず、凶暴なミュータントが跋扈する危険な世界となっており、メトロですら侵入してくるミュータントや他勢力の駅(ファシスト支配の駅がある!)の脅威にさらされているという、かなり絶望感あふれる世界設定。いわゆるポストアポカリプスものですね。
ゲームジャンルはFPS。
ゲームとしての特徴は、地上や有毒ガス地帯でのガスマスク着用、通貨が弾薬であること、崩壊した世界でのハンドメイド銃器や機械といったところ。この辺は核戦争後の荒廃した世界によくマッチしてます。
ガスマスク着用は、フィルターを消費しての制限時間と、攻撃を受けることによって悪化する視界(だんだん割れてきて見づらくなる)というフィーチャー。フィルター使用時間が迫ってくると、呼吸音が苦しげになってきて、プレイしてても息が詰まってきます。
とはいえ、ノーマル難易度だとわりとフィルターやマスクが落ちてるので、あまり「もうフィルター残量がない!」という事態には陥らなかったのが残念。
ハンドメイド銃器に関しては、最初に入手する「バスタード」サブマシンガンに代表されるような、マガジンがフレームしかなく、見た目で残弾がわかるようになっているのが特徴。
セリフでは集弾率が悪くて連射がきかないようなことを言われますが、実際にはそれほどではない感じで、戦前のAK47は超貴重という情報も、中盤以前にわりと拾えてしまったりと、発売に際してだいぶマイルドになってるのかなという印象。
個人的には初代「S.T.A.L.K.E.R.」のように、至近距離まで接近しないと当たらなかったり、すぐジャムったりするのかと思っていたので、ちょっと肩すかし。STALKERに関わったスタッフが多数移籍しているという話だったし、その辺はこだわってほしかったなー。
銃はサイレンサーやストック、延長銃身や銃剣などいろいろバリエーションがあるのだけど、持っている銃を改造することは出来ず、店で買い直すか敵が落としたものを拾うかしかないのも残念ポイント。
自分で組み替えたり、状態の良いパーツとニコイチしたり、町で改良したりして、集弾率や信頼性をあげていければ楽しいと思うんだけど、一本道のシナリオでは難しいかなあ。
前述したとおり、ストーリーは一本道。一定以上進むと引き返せなくなるので、町に戻って体勢立て直しとかは出来ません。
わりと弾薬や武器は倒した敵から奪えたりするので、それほど困ることはないんですが。それでも「もうライフル弾がない! とりあえずショットガンでしのがないと!」くらいのカツカツさはあるので、この辺のバランスはノーマルでもいい感じかも。
スニーキング要素もあるので、暗闇に潜んで敵を倒せば弾薬の節約にも。
進め方としては、人間相手は照明を壊したりしてのスニーキングとライフル類による戦い、ミュータント相手はショットガンでの接近戦という感じで、メリハリのある戦いが出来ます。
というわけで、いろいろアラはあるものの、魅力的な世界設定(荒廃した重苦しい世界が好きならですが)と、手作りトンデモ銃(リボルバーにサイレンサー(ナガンなの?)とストック、スコープ着けて狙撃銃化とか、手動ポンプで圧縮する空気銃とか!)が好みならオススメです。
好)
・世界設定
・魅力的なトンデモ銃
・ちりばめられたS.T.A.L.K.E.R.ネタ
嫌)
・通り過ぎるだけの町(誰と話せてどこで買い物が出来るか非常にわかりづらい。特にスーツは言われるまで売ってることすらわからなかった)
・買い物の意味の薄さ(拾えてしまうし、カスタマイズや修理はできないので)
・銃のバリエーションの少なさ(ハンドガンは1種類、ライフル系は4種類しかない。特殊武器は結構あるけど)
・風景の変わり映えのしなさ(どこまで行ってもコンクリートのトンネルなので。たまに地上に出たりしますが)