BULLET♥
美少女弾幕シューティングをイメージした、直接攻撃ありの対戦ボドゲ
ソロ分類:対戦/Coopルール1キャラプレイ・スコアタ/目標クリア型
日本語対応:日本語版あり
KSでスルーしたものの、ソロニュースで興味をひかれ、日本語版が出たのを機会に入手。
東方シリーズなどの美少女キャラ物の弾幕シューティングを意識したシステムの対戦型ボドゲ。
送り込まれた弾丸をパターンに当てはめて消滅させ、相手に撃ち返してダメージを与えるのが主な流れ。処理できなかった弾丸が下に降りてきて、一番下ラインに到達してしまうとダメージを受けたりと、各所で言われている通り、弾幕というより落ちものパズルゲーの対戦のほうがイメージに近いかもしれない。
プレイモードが豊富に用意されていて、時計回りに攻撃するリアルタイム性のある「バトルロイヤル」、2vs2の「チーム戦」、対戦なしでサバイバルする「スコアアタック」、ボード裏面のボス状態のキャラとPvE対戦する「ボス戦」の4つあり、そのうちソロプレイ可能なのはスコアタとボス戦。
スコアタはランダム要素の少ないストイックな雰囲気なのに対して、ボス戦は毎回ボスが繰り出してくる攻撃パターンに合わせて弾幕を配置しつつ、指定の数以上の弾幕を送り込んでシールドを割っていくという派手な展開となる。
ボスの攻撃をしのぐには、対応したパターンを維持する必要があり、攻撃(消すこと)ばかりに気を取られていると守りがおろそかになってしまう、というシューティングの雰囲気をうまく再現していると感じた。
限られたアクションポイントをうまく割り振って弾丸トークンを移動させ、パターンに当てはめて消滅、その効果でさらに能力発動! といった、異能バトル的な雰囲気もあり、短めの時間で駆け引きが楽しめる。
半面難があるのはコンポーネントの質とルール周りの構成の甘さ。
好みがわかれそうなイラストは置いておくとしても、プレイヤーボードはペナペナに薄くて反りやすいし、弾丸トークンの裏は白一色で味気ない。トークンはデラックス版の木製のものか、BGGなどで言われているようにコインカプセルを使えということでいいと思うが、ボードの使いづらさはかなりの残念感があった。
また、ルール記載周りは「移動ではダメージバーには弾丸が行かない」とわざわざ囲みで明記しつつ、ボスの攻撃方法に「移動」という単語を使ったりと用語の定義が甘かったり、ボス能力などで矛盾や不明確な記載が多く、BGGのフォーラムも質問が乱立している状況。
できれば公式サイトなどでFAQやエラッタ対応してほしいところだが、ローカライズした日本のサイトはもとより、おおもとのパブリッシャーのサイトでもほとんどサポートされておらず、クオリティとしては同人以上、インディー未満といった印象。
せっかくメインシステムは悪くないのに、細かいところで進行がつっかえてあちこち情報を探さなければいけないのは非常にもったいない。
需要はないと思うが、自分が調べた範囲での不明確な部分とその対処を記載しておく。
- ボス「伸し掛かる重力の化身」のパターン能力、「すべての弾丸を下に2マス移動させる」の効果では、弾丸はダメージバーに入る
(できないと弱すぎるのと、英語ルールブックでは「You cannot move a bullet into your hitbox」とあり、ボスは「You」ではないのでできるという理屈。日本語版には「あなたは」の記述がないので例外なくできないように読めてしまう)
- ボス「伸し掛かる重力の化身」のシールドスロット能力、「このラウンドにパターン発動を1回追加する」は、ボス処理最後のパターンカードドローを1回増やすという解釈。ドローしたパターンの判定はその場では行わない
(「発動」が何を指すのか明確ではないが、「ドローして公開」までを発動、次ラウンドで「発動中」になり、ボスフェイズの冒頭でマッチング判定を行うと解釈した。そうでないとパターン対応が偶然に頼らざるを得ず強すぎるため)
- 上記の処理が正しいと、最終シールドスロットの「このラウンドにパターン発動を1回追加する」が矛盾するが、これは「すべての弾丸を下に2マス移動させる」の誤記らしい。
(BGGのスレッドに投稿があるが、根拠として書き込まれたリンクが切れていて裏が取れない。公式Discordチャンネルで開発者らしき人物が同じ内容の発言をしているので、おそらく誤記で正しいと思われる
いろいろケチをつけてしまったが、上述した通り基本システムは面白いと思うので、興味がある人はプレイしてみてもいいと思う。