THE DEAD EYE

アナグリフ式3D印刷が目を引くソロ専用カードゲーム

ソロ分類:ソロ専用
日本語対応:なし

荒廃した惑星に不時着した主人公となり、生き延びて惑星から脱出するというテーマのサバイバルカードゲーム。
システムとしてはチキンレース(Push Your Luck)+タブロービルディング。
KSで見かけて、イラスト自体も魅力的なうえに、なんと立体視対応ということで勢いでバックしたという変わり種。

 

ゲームの基本はデッキからカードを引いて、そのカードを解決するために中央に配置するか、リソースとして両脇に配置するかを選んでいく、という選択を繰り返していくシンプルなもの。

リソースは失敗のリスクが高まるHeat(過熱)と、成功に近づくJuice(給油)があり、リソースにする前に失敗の条件を満たしてしまうと、Strength(体力)やHope(希望)にダメージを受けてしまう。

失敗の条件を満たす前に成功の条件を満たせば、そのカードをParts(アイテム)として入手できたり、目的地への進行としてスタックしたりできる。

TOWR解決中。次にJuice(水滴アイコン)を引けば進行+5として入手できるが、Heat(歯車アイコン)を引いてしまうとStrength、Hopeともにダメージを受けてしまう。不安なら次のカードを引く前にJuiceとしてスタックに加えてもいいが、次に引くカードの失敗条件がHeat1や2なら、回避できるアイテムがない限り失敗となり、そのペナルティを受け入れなければならない(その場合でもスタックのJuiceは残すことができる)。

 

これだけだとただの運ゲーチキンレースになってしまうが、初期デッキは14枚しかないのですぐにリシャッフルされ、また手元に戻ってくるので、デッキビルディング的にデッキ内容を調整する必要が出てくる。

アイテムにしたり、進行としてスタックしたカードは戻ってこないので、Juiceとして使えるカードを初期に消費してしまうとデッキ内のHeatの割合が上がってしまう。そうならないためにも、なるべく早くHeatのカードをアイテムか進行として追放していかなければならない。

また、ダメージとして捨て札となるStrengthは必ずHeatの、HopeはJuiceのカードになっているので、できるだけStrengthにはダメージを受けず、Hopeは死なない程度にデッキに入れていかねばならず、そのあたりの兼ね合いも悩ましい要素。

 

アイテムの効果はカードを「先送りにする」効果がメインで、先送りにしたカードはデッキの底に入ってシャッフルはされないので、今どのくらいJuiceを引いて、どのくらいHeatが残っているのかを念頭において戦略を立てるカウンティング要素もあり。

 

ゲームの進行はシナリオ形式になっていて、シナリオデッキのカード裏面の条件を満たすと内容が公開され、解決できるカードに変化する。

そうやってシナリオを進めていき、StrengthかHopeが尽きる前に目的地であるSafe Havenに到達できればそのRun(行程)はクリアとなり、最後のSafe Haven IIIにたどり着けばゲームに勝利できる。

 

冒頭にも書いたカードのアートワークは赤青眼鏡を使用したアナグリフ立体視に対応していて、付属の眼鏡を使えばちゃんとイラストが浮き上がって見えるのもバカっぽくて非常に良い(長時間かけっぱなしだと目がチカチカしてくるが……)。

ウリの立体視ゴーグル。ちゃんと眼鏡プレイヤー用のバージョンも別途同梱している凝りよう

気になったのはシナリオデッキで、内容は毎回固定なので、一度クリアしてしまうと新鮮味がなくなってしまうだろうところ。StrengthとHopeの内容は毎回変わるので多少展開に変化があるにしても、メインの進行が同じなのはリプレイ性に問題ありと感じた。
いくつかルートを選んだり、ランダムで変化するパターンがあれば良かったが……。

 

BGG