異世界ギルドマスターズ

ギルドマスターになって現代知識無双で成り上がろう(あと受付嬢と仲良くなろう)

ソロ分類:ソロ・対戦
日本語対応:日本語版のみ

異世界に流れ着いた現代人として、冒険者ギルドのマスターになり、受付嬢と二人三脚で迷宮の制圧を行いつつ文明を発展させていく、というテーマ。
あんまりその手のラノベを読んだことないのでアレだけど、イベントカードの内容とかは異世界転生モノのあるあるネタが満載になっている模様。

以前から気にはなっていたのだけど、長らく絶版状態が続いていて、最近第4版がリリースされたので購入。

 

いわゆる一般流通の商業製品ではなく同人ゲームだが、プレイフィールはメーカー製ゲームに引けを取らない完成度になっているし、何よりソロルールが完備されているのがうれしいポイント。

 

ゲーム内容としてはテラフォーミング・マーズ(以下TFM)のカード周りのシステムをベースに、独自要素として迷宮探索と、受付嬢との好感度アップなどが加えられている。

上記のイベントカードについては、ターン開始時に4枚ドローして、欲しいカードを購入、プレイ時にカードに設定されたコストをさらに支払う、カードプレイにはカードについたタグなどの条件があったり、勝利点計算にタグを使用したりと、TFMのプレイ経験があれば「あーあれね」とすぐ飲み込める流れになっている。

リソース周りはTFMと比べて簡略化されていて、カードの購入などに使用する「ゴールド」、迷宮探索に使用する「パワー」、早取り要素のある様々な便利アクションに使用できる「ポーション」の3つ。
派手なカード効果も相まって中盤以降のアクションがインフレしていき、終盤は無双状態になるという、リスペクト元(ゲームもラノベも)の要素を濃縮したような展開になる。

 

独自要素の一つ、迷宮の探索はボードに敷き詰められたタイルを、カードプレイなどで産出したパワーなどのリソースを消費して獲得していく。
探索にかかるコストはタイルをめくるまで確定しないし、獲得したタイルの効果もわからないので、それなりに運も絡んでくるが、その分得られる勝利点も期待できるので、カードプレイと迷宮探索のバランスをどうとるかのプレイスタイルにも幅が出ているように感じられた。

もう一つのオリジナル要素の受付嬢については、基本はTFMの企業と似た仕組み(スタート時のリソース所持量や特殊能力など)ながら、好感度を上げることで能力がパワーアップし、迷宮に派遣できるギルドメンバーも増えていくというもの。
このギャルゲーというかラブコメ感とシステムがうまくマッチしていて、一緒にギルドを盛り立てていく感覚がうまく出せている。もちろん好感度を上げるイベントもそれっぽいぞ。

段階に応じて見た目も変わる

そんな受付嬢は全部で6人。しかも表と裏で性能(性格)もちょっと違うという凝りよう。
プレイスタイル(と好み)に従ってパートナーを選びたい。

 

ソロルールは、TFMに倣って、制限ターン(「超アッパー系」を謳うだけあって6ターンで終わってしまう)内に瘴気トラック(グローバルパラメータのようなもの)の瘴気濃度マーカーと文明マーカーを隣接させつつ、より高い勝利点を目指すというもの。

何度かプレイした限りでは、手なりでも上記の勝利条件自体は満たせるものの、高得点を狙うには100枚以上あるオールユニークのイベントカードの内容を把握して、強力なコンボを構築する必要があると感じた。
(自分がプレイセンスないのもあるけど、高得点出してる人の盤面見るとちょっと圧倒されてしまう……)

ソロルール自体が改版のタイミングで追加されたもののせいか、一部カードがソロに対応していないのは残念。
公式ブログからカードデータがDLできるので、スリーブを利用して差し替えよう(該当記事)。

 

同人発ということで、デザイン(主にボードの見た目とか)やコンポーネントの扱いやすさには若干改善の余地がある気がする(冒頭の写真は一部市販の木製コインやトークンで代替している)が、同人ゲームが商業作品へとリファインしてリリースされる例もあり、そうなったら大きく化けそうなので、その辺も期待したい。

生産数の問題などで、同ジャンルの商業ゲームと比べて割高な点でハードルを高めてしまっているが、この手のジャンルが好きな人には刺さりそうなこだわりが込められているので、気になる人はぜひ体験してみてほしい作品。

 

制作サークル「六角えんぴつ」公式ブログ
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