帝国の時代:インペリウム・クラシック

様々な文明の非対称デッキビルディング ユニークなデッキで国家を発展させよう

ソロ区分:対戦ルールソロバリアント・PvE型

日本語対応:日本語版


ローマやスキタイ、バイキングなどバラエティに富んだ文明同士で対戦するデッキ構築型カードゲーム。

2021年のBGGソロボドゲランキングでは15位に入ってきていて、西フランクシリーズや北海の侵略者などで魅力的なイラストを描かれているイラストレーターを起用していて気になっていたので紹介。

 

特徴としては文明ごとにプレイの傾向がガラッと変わるところで、オーソドックスに領地を広げていくローマ文明に対して、バイキングは蛮族から帝国へ文明を進めることができない(基本的にはどの文明も帝国を目指すプレイとなる)代わりに、使い切りのパワーカードを繰り返し使えたりと、ゲームの進行のさせ方や、ゲーム終了トリガーの方法など、対戦ごとに様々な組み合わせで遊べるようになっている。

 

ゲームの基本は手番ごとに3つのアクションポイントを使ってカードをプレイし、その効果で場のカードを取得したり、リソースを得たりしながらデッキを回していき、リシャッフルのタイミングで入手できる国家デッキのカードをすべて取得すると蛮族から帝国へとステップアップ、さらに強力な発展カードをリソースで購入していく。

(これはオーソドックスな進め方で、文明によってはほかの方法があったりできなかったりする)

そうして名声デッキの最後のカードが裏返されるか、特定のデッキが空になる、文明ごとの終了条件を満たすなどしてトリガーが引かれたら、最後のラウンドを行ってから得点計算となり、より勝利点が高いほうが勝者となる。

 

カードは蛮族時代にしかプレイできないもの、帝国時代にしかプレイできないものに分かれていて(両方使えるものもある)、使用できないカードや弱いカードをいかに圧縮してデッキを回していくかが、どの文明でも共通のポイントとなっている。

 

ソロはbot操作の文明と1対1で対戦する形式となり、botは毎ラウンド決まった枚数(ダイス目によって多少変動する)のカードをプレイし、カードの種別をルールブックの対照表と照らし合わせて決められたアクションを行うという仕組み。

見た通り文明ごとに別のアクション表となっていて、さらに蛮族と帝国でも内容が異なるので、プレイ中にしょっちゅう見返すことになり、正直簡略化するか、せめてルールブックを開かなくても参照できるように大判カードか何かでサポートしてほしかった……。

 

これを見るだけでゲームが進められるならこのページを開きっぱなしにしておけばいいところだが、もともとのルールの書き方がざっくり過ぎる上に日本語化にあたっての誤訳も多く、「これって対象書いてないけどこれも含めていいの?」とか、「1枚選ぶって書いてあるけど選ばなかったほうは捨てるの? 戻すの?」みたいな細かい処理でつまづきがちで、ルールブックやネット情報を調べることも多く、慣れるまではかなりプレイ外の時間がかかってしまうのも気になった。

(もっとも言われている「この参照表にない【不穏】カードを引いた時の処理(単に不穏デッキに戻す)」は、一応別のセクションにはさらっと書かれているのだけど、この表にも書いておいてほしかった……)

 

人によってはかなりの高評価をつけているし、実際ハマれば楽しそうに思えるのだけど、半面煩雑な処理も多くて(得点計算もほかのカードを参照したりするものが多くなってくるとかなりめんどくさい)、個人的にはソロプレイではあまりやりたいとは思わないかなあ……。