SPACE HULK: DEATH ANGEL THE CARD GAME
ウォーハンマー世界の宇宙海兵隊となり、廃船に潜む敵の群れをかいくぐってミッションを完遂せよ
ソロ分類:COOPルール3部隊プレイ・目標クリア型
日本語対応:なし
パワードスーツに身を包んだ遠未来の海兵隊の部隊を操り、すべての有機体を抹殺するためだけに存在する種族、ジーンスティーラーが潜む廃宇宙船に突入してミッションを遂行する、という設定のカードゲーム。
発売は2010年とやや古めながらソロプレイ界隈では根強い人気があり、2019年ではBGGのソロプレイランキング27位、2020年は37位に入っている。
とっくに廃版になっていて新品の入手は困難だが、中古ではそれなりに出回っているのをeBayで購入。日本への配送に対応している出品者はさすがに少なく、そこそこの値段はした。
ゲームとしては、1列になった部隊の左右から押し寄せる敵をしのぎながら先に進み、最終目的地で勝利条件を満たせば勝利、その前に全滅したら敗北、というビデオゲームで言うホードモード的なサバイバルバトルといった趣。
ロケーションごとに配置されるスポーンポイントから敵が出現するのを、部隊ごとに用意された「攻撃」「移動&起動」「サポート」の3種類のアクションカードをプレイしてさばき、これもロケーションカードで指定された枚数の左右のスポーンデッキどちらかが0枚になったら次のロケーションへと移動する。
アクションカードは名前に記された行動に加えて、特定の隊員のスキルが発動するようになっているが、前のラウンドで使用したカードは使用できないという縛りがあり、強力な攻撃スキルがあるからといって考えなしに使用してしまうと、次に大量にスポーンした敵を前に攻撃できない、などの状況も発生するので、他の部隊の行動と合わせてうまく立ち回る必要がある。
また、各ユニットには向きの概念があり、基本的には向いている方向の敵しか攻撃できないのは当然として、背面からの敵の攻撃には防御判定のやり直しができず、一発勝負となってしまう。
このようなポジショニングとアクションカードのジレンマが厳しいゲームとなっているのだが、それ以上に容赦がないのが攻撃と防御の判定。
攻撃も防御も1個のみのダイスで行い、攻撃はどのユニットであってもドクロの目(6面中3面)が出れば1体撃破、防御は敵集団の数よりも大きな値が出れば無傷、敵の数以下であれば一発で死亡と、HPなどという甘っちょろいものは存在しない、なんともタフなシステムとなっている。
(ちなみに防御判定に使用する目は一般的な6面ダイスとは異なり、0(!)~5と、1低い数値なので、たとえ1体が相手でも33%の確率で死亡である)
一応、「サポート」アクションで入手したトークンを消費すれば振り直しができる(背面攻撃は不可)のだが、入手できるトークンは1アクションで1個のみと、とてもではないが追いつかないので、いざというときは誰を犠牲にし、誰を生き残らせるかというシビアな判断が必要になっていく。
この要領で、プレイヤーの攻撃→敵の攻撃→イベント(敵のスポーン&アクシデントを処理)を繰り返し、最終目的地になるべく多くの隊員を行き残らせて到達し、最終ミッションの達成を目指す。
このように、すべてがデッドリーな高難易度ゲームだが、ウォーハンマーという洋ゲー丸出しの世界観には妙にマッチしていて、頼りになる隊員が0の目を出し道半ばで倒れても、不思議と「まあ、そういうこともある……」という気分になれる気がする。
10年以上前のゲームということもあり、バランス面ではかなり荒々しいものを感じるが、セットアップなどが容易ということもあり、アーケード感覚でリトライしながらクリアを目指すのが正しいプレイなのではないかと感じた。
余談だがルールブックの分かりづらさには定評があり、BGGの「よくやらかす間違い」スレをプレイ前か初回プレイ後に見ておくと参考になるだろう(全部読む必要はなく、最初のトピックで網羅されている)。自分もいくつか間違っていた処理があった。
ソロプレイでも基本的なルールは変わらず、一人で3チーム6人をプレイするという仕組み。BGG評価でも1人ベストとなっていて、これを多人数でやるシーンはちょっと想像できないが(有無を言わさず途中脱落ということも容易に起きるので)、重ゲーの合間にやってみてもいいのかもしれない。
デベロッパーのFantasy Flight Gamesがウォーハンマーの版権をもう持ってないらしく、再版は絶望的だが、別テーマでのリメイクを期待したい(フォーラムでもよく言われているが、エイリアン2のIPは良くマッチすると思う)。