ROBINSON CRUSOE: ADVENTURES ON THE CURSED ISLAND
シナリオ形式のカツカツ冒険サバイバル
2020年6月にアークライトより、「ロビンソン・クルーソー 完全日本語版」として日本語版が発売された。
元々2012年に発売されたゲームで、購入したのは2016年にパッケージが変わったバージョン。米Amazonで通常$45前後のところ、タイムセールで$37.69になっていたので衝動的に購入。
新版からは食料リソースがキューブからバナナ型になっていて楽しい。
毛皮、保存食、食料、木材トークン。少々掴みづらいのはご愛敬。
シナリオ形式のサバイバルアドベンチャーで、基本的には、孤島に漂着した身一つの状態から様々なアイテムをクラフトしていき、制限ターン内にシナリオごとの目標を達成すればクリアとなる。
シナリオもシンプルな遭難物から人喰い族との戦い、キングコングの映画撮影など多岐にわたり、公式、ファンメイドの追加シナリオも存在する。
同梱シナリオ。両面使用で全7本。
システムとしてはワーカープレイスメントをメインに、マップのタイル配置やリソースマネジメント、行為判定のダイスロールなどがサブとしてある感じ。
各プレイヤーはワーカーを2個持ち、アクションにワーカーを2個割り当てると確実に成功するが、1個だけだとダイスを振って成功の可否だけでなく、アクシデントイベントの発生や、ケガの有無の判定を行う必要がある。
成功を期したいならワーカーを2個割り振ればいいのだが、キャンプのアップグレードや修理、食料の調達、アイテムの作成やシナリオ目標の達成など、とにかくやらなければならないことが山積みなうえに、毎ラウンド開始時に何かしらのトラブルが発生し、その対処も行わなければならないという、かなり過酷な条件の中で取捨選択を行う必要がある。
少し面白いのは、前述のトラブル発生のシステム。ラウンドの開始時にカードを引いて効果を適用するのだが、そのカードは2スロットあるスペースに配置され、新しいものが古いものを順に押し出していく。対応アクションを行ってカードを処理しないと、スペースがあふれた際にもう一度ペナルティが発生するという点。対処すればボーナス、放置すれば追い打ちとなり、少し先を見据えて行動していく必要があって、ラウンドトラックの気象予告(あとになると気候が厳しくなっていく)と合わせて計画的な行動をおこなう必要性が高まっている。
左のカードで言えば、まずカードを引いたときに「TERMITES(シロアリ)」の効果を適用し、木材を一つ廃棄する。次のカードを引いたときに左のスペースに移動し(写真の状態)、さらに引いてしまう前に1ワーカーと作成済みの焚火を使って下の「PEST CONTROL(害虫駆除)」のアクションを行えば、カードを捨てて意思トークンを1つ得ることができるが、できないと木材がさらに一つ失われてしまう。
ゲームの基本的な進行は、「探検」アクションで行動範囲を広げて地形タイルを配置し、入手できるリソース源や、大きなボーナスをもたらすディスカバリートークンを獲得したのち、シナリオの目的を達成するべくアクションを行っていくという流れ。
サバイバルに不可欠な各種アイテムは、対応した地形を探検済みにしないと作成可能にならないので、探検が全てのアクションの基本となっている……のだが、前述のジレンマもあり、なかなか手が回らないのがもどかしい。
ソロプレイはバリアントとしてサポートされていて、用途制限付きワーカーの犬と、2Pでも使用するフライデー(現地人)ワーカー、毎ターン士気向上のボーナスが得られることで、バランスよくプレイできると感じた。
プレイボードが大きめで、リソース置き場などを考えるとかなりの広さが必要。慣れてくれば、使用頻度の低いものを仮に置いておく場所を併用して、1m四方程度のスペースで遊ぶこともギリ可能。
(ルール理解とIndesignの練習として、40ページほどのルールブックを和訳し、デザイナーの許可を得てBGGのFilesページにアップしました。なお、公開されていない各種カードについては翻訳の予定はありません。翻訳内容の誤りや表示の不具合などはツイッターなどで報告いただければと思います)