The Vanishing of Ethan Carter


一度積んでいたのを再開してクリアしたので感想。
有志MODによる字幕ローカライズ有り(隠しイベントの1カ所のみ字幕表示に不具合有り)


interestingは置いておいても、動的なおもしろさではなく静的なおもしろさを感じた。
いわゆる雰囲気系、しんみり系という感じ。一人称という視点、美しくももの悲しさを感じる風景に負うところは大きいと思う。
没入感もかなりあり、湿った落ち葉や松の香りをふと感じそうになるほど。Oculusでプレイしている動画を見かけたけど、かなりすごそうな予感がする。

システムは一部面白い部分はありつつ、「ナラティブ」という要素を押し出すために、説明が最小限、というか足りてないので、プレイする側としては不安になりやすいと思う。

一つ目の難点は、ひとつのイベントが終わってから次のイベントへ向かう部分。オープンワールドの作りで、イベントの配置がかなり距離が開いているので、移動していてこれが正しい道なのか不安に思いながら進むことになりがち。自分の経験からいうと、自信を持って進んでいないときは距離が長く感じる傾向にあるので、それに拍車をかけているように思う。
実際には、目に付いた道を進んでいけばメインイベントは進められるようにはなってるのだけど、うっかり逸れたり、見落としたりするとかなり長い距離を何もないまま進むことになる。
実は見落としたイベントはあとで回収しやすくなってるのだけど、プレイヤーには知る由もないし。

二つ目はゲームのルールの問題。このゲームにはミステリー的な捜査イベントと、トワイライトゾーン的な超常イベントの2種類があって、前者は一貫したルールに則って解くようになってる(それでも説明不足のシステムが多い)のだけど、後者はイベントごとにルールが違うので、それを理解してないとよく分からないまま投げ出してしまう気がする。
実際自分も、捜査イベントを解いたあと、超常イベントに出会って、なんとか解いたものの、「よく判らんゲーム」となって積んでしまったし。

ストーリーとしては、不可解なイベントの断片を集めていくと、最後にそれがつながって……というタイプ。
すごい! というようなものではないものの、けっこうなるほど感があって良かった。ちょっとキングっぽい後味かな。


個人的にはありそうであんまりない、空間タグっぽい捜査が面白いと思いました。
ただ、上述のようにゲームゲームしないようにしてるので、逆にゲームっぽい作りの探偵ゲーも見たいなと。書いたとおりバットマンの戦闘抜き、デジタル感抜きっぽい感じで。

そんな感じ。最後に一応操作イベントのゲームシステムのルールを書いておこうかな。ここに攻略見に来る人がいるとは思えないけど(笑)。

・基本的に捜査は1カ所で完結する(隠しイベントのみマップ全体を使う)
・長押しでポータル(?)を開くには、それ以外の謎(たいていは欠けているアイテムを元の位置に戻す)を解く必要がある
・何かを調べたときに単語がもやもやしている場合、まとまる方向を探してボタン長押しすると、手がかりになるビジョンが表示される
・時系列パズルを解いたあと飛んでいく光を追いかけると、その先でイベントが完了する(ない場合もある)

自分はこれに気づいたのがけっこう後半だったので、無為にウロウロしてる時間がキツかった。

超常イベントの方は正直ノーヒントで解かすなよ、というものもあるんですが(簡単なのは簡単)、そっちはネットの攻略見ちゃってもいいと思います。よく言えばオールドスクールな謎解き、悪くいえば古くさい不親切パズルという感じなので。