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2004年02月09日

フルメタル・ジャケット

「口でクソ垂れる前とあとに『sir』を付けろ!」――ハートマン軍曹

キューブリック監督の、このベトナム戦争を描いた映画を観たのは、いささか不純な動機からでした。

・伊集院光が昔ネタにしていた「猥語マラソン」を見るため
・ハートマン軍曹の罵りぶりを見るため

二つともほとんどかぶってますが。
この映画は、ベトナム戦争に送り込む海兵隊員を養成するために行われる地獄のしごきと、実際にベトナムに送り込まれて体験する本当の地獄を描いた傑作です。
その過程で人間性を否定され、戦争の狂気に触れる様、その中での青春など、名作との呼び声も高い映画ですが、まあそれはそれとして。

「猥語マラソン」というのは、ずっと昔のテレビCM、「ファミコンウォーズ」の元ネタ、といえばわかりやすいでしょうか。
あの、4列縦隊になって整然と足並みを揃え、ザッザッザッザッ「ファミコンウォーズが出ーるぞ!」「ファミコンウォーズが出ーるぞ!」ってやってたやつです。
本家はそれの卑猥バージョンです。内容はここでは書けませんが(笑)。

ハートマン軍曹は、物語前半で登場する海兵隊学校の鬼教官です。その容赦ない指導は、もはや理不尽を通り越して芸術の域です。
彼の罵りっぷりは、冒頭の言葉に始まり、良くもまあここまで色々思いつくものだとあきれるほど、なめらか且つ、次々と軍曹の口から飛び出してきます。
正直、この学校編を見るだけでもこの映画を観る価値があるでしょう。ホントに。
ちょっと前に読んだSF小説、「宇宙の戦士」にも似た雰囲気の教練シーンがあります。この小説もベトナム戦争の時期に書かれた物ですし、設定年代は違っても、根底に流れる空気はほとんど同じと言ってもいいでしょう。構成も似てるし。
どちらかに触れれば、もう片方の魅力が増すことは請け合いです。


映画としても出来が良く、ネタとしても有用な作品。
だいすけ評価は9/10

Sir! Yes,Sir!

投稿者 だいすけ : 2004年02月09日 10:15 映画・ビデオレビュー

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