コレイカ(ボードゲーム)遊んだ

とにかく並んでから様子を見ろ! 足の引っ張り合い買い物ゲーム

かつて存在したKotaku Japanの記事で、「世界一退屈? 社会主義時代の「行列」が題材のボードゲーム『コレイカ』」というのがあって、コンポーネントのよさげな感じとテーマが気になってて、いつ出るんだろうと思ってたら、いつの間にか日本でも発売されてたので買って遊んでみました。


ボックスのデザインも小包風。

ちなみにメビウスゲームズとかそのあたりの有名どころでは入荷してなくて(2012年9月現在)、自分が把握している限りではテンデイズゲームズが販売してるくらい、かな?

ゲームとしては、共産主義時代のポーランドを舞台に、買い物リストの商品をすべて手に入れるためにひたすら行列に並ぶ、という内容。確かに先の記事通り、テーマは退屈そのもの。ただしもちろん、ゲームとしてはちゃんと成立してます。


箱を開けてまず目を引くのが、コンポーネントの質の良さ。木製のコマ、分厚いボール紙のボード、和訳シールを張るのがもったいないと思える薄汚れた模様の入った(コーヒーの輪染みとか)カード類。品物の写真も輸入雑貨店に並んでそうなレトロなものですし、能力カードも写真コラージュでかわいい。


説明書と駒。多言語版となってて、日本語を含む6か国の言葉のマニュアルが入ってます。これも厚い紙のしっかりした内容で、内容の半分がポーランドの歴史という気合の入った内容。ちなみに翻訳シールはマニュアルに綴じこまれてます。マニュアルには箱に入ってるような書かれ方をしてたので、すわ欠品かとあせりました。


カード類。和訳シール貼付済み。
もともとはポーランド語(たぶん)しか書かれてなくて、まったく意味が分からないです。で、その和訳シールの張り方もろくに説明がない上に、同じ種類のシールがあちこちに分散してて、よけい苦労しました。
貼り方としては、まず、カードを種類別(色別ではなく)に分けて整理してから、シール余白に書かれてる小さな顔写真と、そこから引かれている矢印の先の説明が対応してるので、それをもとに一つ目のカードにシールを貼り、それと同じ説明のシールを探して(隣にあるとは限らない)、対応した色のカードに貼っていく……という感じ。ちょっとしたパズルゲーム感覚です。

さて、肝心のゲームの目標は、上に書いたとおり、買い物リストの商品をすべてそろえること。ゲーム開始時にリストカードを引いて、たとえば「食料品:4、衣類:3、電化製品2:、生活雑貨:1」などと書いてあるので、その数をそろえれば勝利。衣類であれば靴でもコートでもベルトでもなんでもOKです。

進行としては、「行列に並ぶ」→「商品入荷」→「能力カード使用」→「開店」という流れ。
ここでキモとなるのが、「入荷の前に並ぶ」ということ。いつ商品が入荷するかわからない状態で、寒空の下何時間も行列するという、共産主義(というか官僚主義?)っぽい雰囲気が味わえます。
ちなみに商店のほかに物々交換のバザーもあるので、「行列が短いからとにかく並ぶ」とか、「商品が入荷されてるので、いらないけど並ぶ」などの、なんかそれっぽい感じも味わえます。

で、入荷カードをめくって対応商店に品物が届いたら、能力カード使用フェイズ。
おもに列の順番を入れ替える列操作系と、商品を追加入荷させたり別の商店に移したりの商品操作系、後は次の入荷を確認したり強制閉店させたりの補助系。
このカードは1ターン3枚まで使えますが、カード補充されるのは5ターン後、カードは全10枚なので、毎ターン3枚使ってると後半のターンに何もできなくなります。
さらに加えて、カード使用は一度パスするとそのターンはもう参加できなくなるチキンレース状態。割り込みに割り込み返しで対抗するには、カードを使い続けなければいけないジレンマもあります。

熾烈な行列争いが終わったら、ようやく開店。列の先頭から商品を(入荷されてれば)持ち帰ることができます。
商品を持ち帰ったコマは手元に戻るので、また次のターンの頭に行列に並ばせる、という進行。


ゲーム終盤。少ない商品を巡ってこんなに行列が伸びることも。買えるのは前から2人だけ……っ!

プレイ前は、能力カードの種類の少なさにちょっと心配になったんですが、その辺は割と気にならなかったです。
むしろ、入荷数を人数によって適用する選択ルールを使わないと商品数がカツカツにならず、あっという間に終わってしまったほうが問題でした。遊ぶ際はぜひ適用をお勧めします(勝利条件の後に書いてあります)。

というわけで、ディストピア(というほどではないですが)ネタが好きな方、コンポーネントに惹かれた方はオススメです。