GEARS OF WAR: THE BOARD GAME

仲間とともにミッションを遂行しろ! ビデオゲームテーマのカードドリブン・タクティカルバトル

ソロ区分:ソロ・協力
日本語対応:有志ルール抄訳・和訳シールあり

 

ビデオゲーム「ギアーズ・オブ・ウォー」のテーマを使用したカードドリブンのタクティカルバトル。

リリースが2011年ということもあって、シナリオはギアーズの2までの内容。

 

ランダムで組み合わされたタイルを接続してマップを作成し、その中のエリアを移動しながらシナリオに提示された目標をクリアしていくのが主な流れ。

ボード上のキャラクターにはフィギュアを使用し、味方はもちろん、ローカスト側もレッチからドローン、ブーマーやバーサーカーなど各種が用意され、未塗装ながら雰囲気を盛り上げている。


プレイヤーキャラクターはおなじみマーカスやドム、コール、ベアードの4人。人数によってスポーンする敵の数などが調整されるので、使用キャラは何人でもOK。敵の行動も1P→敵→2P→敵……となっているので、人数の増減にあまり影響を受けないようになっている。

アクションはカードを使って行うが、手札がHPも兼ねているので、消耗を抑えつつも、できるだけ有利な状況で敵ターンに回したいので悩ましい。

 


敵の行動もAIカードによって行われるのでソロプレイが容易になっている。
カードには敵の種類ごとに行われるものと、全体に影響を与えるイベントが存在し、どちらもプレイヤーには過酷な状況を演出してくる。

この辺りはソロ専の強い味方、FFGお得意の分野。8年前の時点で現在のAeon’s Endなどの非対称戦Co-Opの基礎はできていたと言える。

 

戦闘は攻撃側、防御側双方がダイスを振り、差分がダメージになるというオーソドックスなシステム。

黒が攻撃側、赤が防御側。攻撃を黒にしたのは赤いドクロ、クリムゾンオーメンを再現したかったからと思われる

使用する武器、弾薬を消費するかどうかでダイス数が異なる。ギアーズのシンボル、クリムゾンオーメンの目が出れば武器ごとの特殊な効果が発動する。

カバリングのシステムはもちろん、シリーズを象徴する武器、ランサーアサルトライフルには白兵戦のチェーンソーの判定があるなど、ゲームの特徴もしっかり再現されている。

敵のHPは無傷、負傷、死亡の3つのみで、無傷の状態でHP以上のダメージなら死亡、未満なら負傷状態になる。負傷状態でHPを削り切れば死亡、そうでなければ続行と、状態トークンのみで管理できるのは処理が軽くて好印象。

 

全体的にルール処理が軽く、原作を再現しつつプレイアビリティがうまく確保されていると感じた。

ただ、処理が簡易になった弊害で若干進行が淡々としがちなのは気になる点ではある。

 

なにぶん古いゲームなので入手は困難だが、有志によるルール抄訳やカード貼付用のシールデータなども存在するので、原作ファンは機会があったらプレイしてみてほしい。

 

BGG
ルール抄訳:「魔都の風を受けて」内、「ゲームサマリー」ページ
カード貼付用シール:「奇跡家」内、「和訳ルールの部屋」ページ