Fallout 1なんちゃってリプレイ Vaultから来た男:Log01「扉の外」

「ギジュツテキナゲンインニヨリ ゲンザイ ハッチヲオープンデキマセン」

――やられた。
俺はコンソールに拳を打ちつけた。


コトの次第はこうだ。
100年近く前、俺たちのご先祖様が始めたくだらん戦争のおかげで、地上は死の世界になった。
で、コンピュータによって選別された一握りの運の良い奴は、Vaultと呼ばれるシェルターに避難し、地上がまた人の住める環境になるまでそこで暮らすことになる。

Vaultは科学の粋を結集して作られ、200年は無補給で生活できる環境を提供してくれるノアの方舟……のはずだったんだが。
俺の生まれたVault13は、何かの手違いで水を浄化する装置を制御するチップのスペアが届かず、最初からあるオンボロチップをだましだまし使ってきたが、ついにメインのチューブが焼き切れちまった。
現在のサブシステムでは、保って4、5ヶ月、その後は汚水をすするか渇いて死ぬしかない。

そこでお呼びがかかったのがこの俺。外の世界にある別のVaultを訪ねて、スペアのチップを分けてもらいに行ってこいというのが、我らが監察官殿の指令って訳だ。



なんで俺が、と思わないわけでもなかったが、物理的にも精神的にも窮屈なVaultに飽き飽きしていた俺は、外の世界が見られるってんで二つ返事で引き受けちまった。
それがほんの1時間ほど前の話。

何重にも施された厳重なハッチを抜け、ギア状のメインゲートを抜けた途端、照明用のフレアを焚く暇もなく、巨大な鋼鉄の扉は音を立てて閉まり、おかしいと思ったときには後戻りは出来なくなっていた。

しかも。
フレアで照らされた洞窟内部、しかもエントランスから数メートルの所に浮かび上がったのは、見覚えのあるVaultジャンプスーツ姿の死体。



「聞いてないぞ、こんなの!」
ハッチに据え付けられた外部コンソールに叫んでみても反応なし。
『危険はないと思うが、万一のため』に持たされた10mmピストルを構えて死体に近づいてみる。
もしかして、別のVaultからの来訪者かも、という期待を裏切り、ナンバーは13。名前は……
「エド……」
配置換えになったと聞いてたが、まさか外の世界へのカミカゼ任務を任されてたとはね。

(Log01:EoF)